男性の成人式の正装である袴について
成人式の服装については、女性は振り袖を選ぶ人が多く、この晴れの日のために仕立てる人や、レンタルする人などさまざまであるのが現状です。
一方、男性の場合には、スーツを着用する人と、袴の人が存在しており、8割~9割の人がスーツを選択しているのが現状です。
スーツを選ぶ人が多い理由については、ファッションに関心が薄い人でも、無難に着こなすことができるという理由や、これから着用する機会が増えるので、成人式を機に購入するという人が多いためです。
また、袴の場合には、わざわざレンタルする必要があり、面倒だと感じる人が多いのが現状です。
さらに、女性からもスーツの人気が高いというのも、選ばれる理由のひとつとなります。
そもそも成人式は、武士の元服の儀式に由来します。
20歳を境として、子供から大人になるための通過儀式として、大きな節目となる儀式です。
古来より、男性の正装は。
紋付袴と決められていました。
そして、第一正装といわれるものは、黒羽二重、染め付き五つ紋付きの長着と、羽織に仙台平の袴姿となります。
第一正装の場合には、家紋が入りますので、レンタルでは難しくなります。
レンタル衣装でよく見られるカラフルな羽織類などは、略礼装となります。
目立ちたいという理由で、はかまを選ばれる人も存在しているのですが、髪の毛はカラーリングしていない黒髪をおすすめします。
成人式に、茶髪+カラフルな羽織はかま姿は、マナー違反となります。
はかまのカラーも黒もしくは茶色の縞模様が正装となります。
白や赤、柄物などは、目立つことは間違いないのですが、成人を祝う晴れの席にはふさわしくはありません。
羽織にまつわる豆知識をご紹介します。
紋付の羽織は、紋の数で格が決まります。
一つ紋・三つ紋・五つ紋の3種類の紋付羽織があり、一つ紋には背中の縫い目の上に紋が1つつきます。
三つ紋には、背中に1つと袖紋が2つつきます。
そして、1番格上である五つ紋には、背紋が1つ、袖紋が2つ、前身頃の抱き紋が2つつきます。
一つ紋から順に、略装・準礼装・正礼装となります。
また、五つ紋には白の羽織紐、一つ紋には羽織と同じ色の羽織紐を結ぶのがマナーとなります。
成人の日の式典に和装を選ばれる際には、着くずれしないようにしっかりと着付けをしてもらうことがポイントとなります。
茶髪でカラフルな羽織はかまを、ヨレヨレに着崩していたのでは、晴れの舞台が台無しです。
大人の仲間入りをしたという自覚を持って臨みましょう。